2006/12/27

Such a bad experience never again

エリカからの電話のメッセージはいささか唐突であった。

僕はなんだかよくわからなくなって、とりあえず部屋の棚にあったバーボンをコップに注ぎ、ぐいっと飲み干した。

確かにエリカが僕の居場所を見つけるのはそう難しいことではないはずだった。
そもそもコンラッドは彼女のお気に入りだ。僕がここを取ったのも、他に「大人が泊まるのに十分まともな」バンコクのホテルの名前を聞いた記憶がなかったからだ。

さあ面倒くさい事になってきたぞ。

少し酒が回りクラクラしていた。だからシリアスに考えこんでいたといえばまあ嘘になる。でもとにかくエリカは何故??

奇天烈な現実と空想の境。。

テレビをつけて暫くぼーっとしていた。ニュースキャスターがタイ語でおそらく「今年の気候は異常なことになっています」というようなことを話しながら、各地の洪水やストームの映像を流していた。

ベッドに横になっているうちに、少しウトウトしていた。


そこに突然チャイムが鳴った。急いでガウンの紐をしっかりと締め、覗き穴を見ると懐かしい顔が見えた。

エリカだった。

ドアをあける。

「久しぶりの再会ね。」

彼女は拍子抜けするぐらいあっけらかんとした笑顔でそう言った。




(作り話 つづく(予定です))








閑話休題。

007「カジノ•ロワイヤル」、日本でも007最高傑作といわれるぐらい評判だったらしいですね。

僕もDVDでもう一回観てもいいかなと考えているぐらいだから納得。ちなみに昔の記事でソニー製品ばかりが映画の中に登場することに文句を言ったことがあるけど、どうもソニーのストリンガーCEOはこれこそ『プロダクト・プレイスメント(企業の商品を目立つように配置する広告手法)』モデルと言っていたそう。ソニーピクチャーズは007欲しさにMGMを買収したと言われているという話を聞いて、「そーかー、ソニーのおじさん達もジェームスボンドに憧れたわけね。その気持ちよく分かるよ」と思ったのだけど、垂直統合のビジネスモデルのため、とか聞くと少しげんなりしますね。映画見ている人達はソニーが期待しているよりずっと冷めてると思いますよー。

今日ちょっと辛口なのは(いつもですか?)用事があるためにいつもよりかなり早く頑張って起き、目をこすりこすり朝まだ暗い中駅に行ったのに「今日はストです」との掲示にがっくりしたわけなので。。駅の窓口でてんやわんや対応している駅員達をみて、あーもうなんかほんとトホホ。。。ストしたせいで普段より職員の業務量が増えて大変なんてほんとバカみたいじゃん。ストしたくなる気持ちも少しは分からなくもないけど、これは近視的愚かさ、フランス社会の病魔。労働者の権利を否定するつもりはないけど、ともかくフランスではマルクスがまだ存命なようで、「労働者は大資本家に搾取され続けているのでいつか革命を」というイリュージョンを疑いもなく持ち続けている希有な国だと思います。昔誰か有名なフランス人が「フランス人は根本的に共産主義者である」といったという記事をみたことがあって、自由主義国家フランスが共産主義てドウイウコト??と思ったりもしたけど、住んでみればよくわかるものどすえ。

利潤に占める労働分配率を上げたら税収と配当と再投資が減ってますます社会が窮屈になるのに、とりあえず俺たちの給料をあげろ、というのはおかしいよなあと思うけど、そんなマクロ的説明をいくらしても、それは資本側の論理であり「ムズカシイ本(説明)よりまず明日のパンを頂戴」てことでこういうことになるんだろうか?「本よりパン」て昔東京の地下鉄でよくみたポスターにあった、確か必要な教科書もちゃんと買えない途上国の子供達の窮状を訴えたキャッチコピーで、それは僕の心にかなり響いたけど、でもそれって途上国の話な訳で。。

ちなみに昔僕がベルギーに住んでいたときにベルギーのフラッグシップ、サベナ(SABENA)航空がストを数週間やっていたことがありました。ニュースでは連日その膠着模様を放映していたんだけど、結局サベナ、それが遠因で倒産しちゃった。権利を主張したおかげで権利を失う、てなんかホント切ないですね。ちなみに昔ベルギーの友人に”SABENA” とは何の略か教えてもらいました。彼は笑いながら”Such A Bad Experience Never Again”だって。あーなるほど。

Such a bad experience never again

乱文を失礼いたしました。


※先々週に書いてほったらかしにしておいたものをアップしたものです。だから「スト」は先々週の話です。



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